従業員5,000人以上企業の83.9%が副業を容認
近年、副業・兼業を取り巻く環境は大きく変化していますが、大企業ではその動きが顕著であるようです。今回は経団連が発表した「副業・兼業に関するアンケ―ト調査結果」の内容を見ていきます。なお、この調査は経団連の全会員企業を対象に2022年7月28日~8月25日に実施されたもので、回答企業数は275社(回答率18.2%)となっています。
その結果のポイントは以下のようになっています。
(1)常用労働者数が5,000人以上の企業は、 2022年では83.9%が「認めている」または「認める予定」と回答し、企業規模計を上回る増加率となっている。
企業規模計 認めている 53.1% 認める予定 17.5%
5,000人以上 認めている 66.7% 認める予定 17.2%
1,000~5,000人未満 認めている 52.3% 認める予定 20.6%
300~1,000人未満 認めている 44.4% 認める予定 13.9%
100~300人未満 認めている 38.5% 認める予定 15.4%
100人未満 認めている 31.6% 認める予定 10.5%
(2)社外での副業・兼業を認めたことによる効果の上位は以下の通り。
多様な働き方へのニーズの尊重 43.2%
自律的なキャリア形成 39.0%
本業で活用できる知識・スキルの習得 18.5%
人材の定着 13.7%
セカンドライフへの関心の高まり 13.0%
(3)自律的なキャリア形成支援に積極的に取り組んでいる企業ほど、社外での副業・兼業を「認めている」または「認める予定」と回答している。
(4)副業・兼業人材の受入を認めている企業の割合は以下のとおり。
企業規模計 認めている 16.4% 認める予定 13.8%
5,000人以上 認めている 19.5% 認める予定 20.7%
1,000~5,000人未満 認めている 10.3% 認める予定 8.4%
300~1,000人未満 認めている 16.7% 認める予定 13.9%
300人未満 認めている 24.4% 認める予定 13.3%
(5)社外からの副業・兼業人材の受入を認めたことによる効果の上位は以下の通り。
人材の確保 53.3%
社内での新規事業創出やイノベーション促進 42.2%
社外からの客観的な視点の確保 35.6%
自社で活用できる他業種の知見・スキルの習得 24.4%
習得した他業種の知見・スキルの展開による生産性向上 17.8%
このように副業・兼業の容認が急速に進んでいることが分かります。副業・兼業を容認する際の基準や労働時間管理の仕組みなどが調査対象となっていないのが少し残念ではありますが、時代の流れを感じる結果となっています。
参考リンク
経団連「副業・兼業に関するアンケ―ト調査結果(2022年10月11日)」
http://www.keidanren.or.jp/policy/2022/090.pdf
(大津章敬)