Z世代が求める福利厚生制度のトップは「土日祝日以外の休暇制度」

 2022年10月24日の記事「Z世代の企業選択のポイントの1位は「安定している会社」、その内容とは」では、マイナビが2023年3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生を対象に実施した「2023年卒 就職活動における価値観に関するアンケート」から、Z世代が企業を選択するポイントを取り上げました。

 その結論は、以下のようなものでした。

  • Z世代が企業を選択するポイントのトップは「安定している会社(43.9%)」
  • 企業に対して安定感を感じるポイントのトップ3は「安心して働ける環境である」「福利厚生が充実している」「業界大手である」
  • 安心して働ける環境のイメージのトップ3は「社風が自分とあっている」「福利厚生・各種制度が充実している」「社員同士の仲がいい」

 このように見てみると、Z世代は福利厚生の充実度合いから、会社の安定性を感じ、それを会社選びの重要ポイントとしていることが分かります。そこで以下では同調査から、Z世代の福利厚生に対する考え方について見ていきましょう。
(1)福利厚生の充実度によって志望度は変わりますか?
[文系]
大きく変わる 48% 少し変わる 44%
あまり変わらない 8% 全く変わらない 2%
[理系]
大きく変わる 42% 少し変わる 51%
あまり変わらない 6% 全く変わらない 0%
(2)福祉厚生の充実度に惹かれて入社を検討した企業はありますか?
[文系]ある 69% ない 31%
[理系]ある 72% ない 28%

 私の感覚では、福利厚生はないよりはあった方がよいという認識ですが、Z世代はこのようにかなり重要視していることが分かります。それでは、具体的に、就職活動を通じて重視した企業の福利厚生・各種制度とはどのようなものでしょうか?その内容は以下のようになっています。
23.1% 土日祝日以外の休暇制度
17.1% 育休・産休制度などの子育て支援制度
15.9% 住宅手当
14.5% 資格取得補助などの自己啓発補助
9.2% 社員寮や社宅制度
6.0% リモートワーク制度
5.3% 退職金制度
3.2% 健康増進に関する制度
2.4% 副業・兼業が可能か
1.9% 重視している制度はない
0.9% レクリエーションに関する補助
0・5% その他

 このようにワークライフバランス系の制度、住宅関連制度、自己啓発が上位に来ています。一方、レクリエーションに関する補助は1%にも満たない結果となっており、福利厚生についてもより個人ょりの支援が重視されていることが分かります。1位の「土日祝日以外の休暇制度」としてはアニバーサリー休暇などが考えられますが、これは比較的中小企業でも導入しやすいものですので、検討してみてもよいかも知れません。


参考リンク
マイナビ「2023年卒 就職活動における価値観に関するアンケート」
https://saponet.mynavi.jp/column/detail/20221004170952.html

(大津章敬)