新卒社員の「七五三問題」 最新状況はどうなっているか

 昔から、新卒社員の離職率について、よく七五三であると言われます。これは就職後3年以内離職率が、中卒で7割、高卒で5割、大卒で3割あるという意味ですが、時代によってこれも変化してきています。そこで本日は、厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)」から、その最新状況を見ていきましょう。

 これによれば、最新の学歴別の就職後3年以内の離職率は以下のようになっています。
新規中卒就職者 57.8%(前年度比+2.8ポイント)
新規高卒就職者 35.9%(前年度比▲1.0ポイント)
新規大学卒就職者 31.5%(前年度比+0.3ポイント)

 トレンドとしては中卒と高卒の3年以内離職率は低下傾向にあるのに対し、大卒は横ばいという状態になっています。いうなれば七五三ではなく、六四三でしょうか。しかし、近年の各種調査を見ると、転職によって自らの市場価値を上げ、収入を増やしていくという意識が急速に高まっていますので、今後、大卒を中心に3年以内離職率の上昇が予想されます。企業としても新たな価値観に対応すると共に、既存人材のリテンションと、効果的な中途人材採用・育成の仕組みを構築していくことが求められます。


参考リンク
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00005.html

(大津章敬)