傷病手当金のうち精神疾患の割合は約33%、25年で約7倍に

 協会けんぽでは、毎年10月に現金給付受給者状況調査を実施しています。この調査は、全国健康保険協会管掌健康保険(法第3条第2項被保険者を除く。)の傷病手当金の受給者の状況を調査し、事業運営のために必要な基礎資料を得ることを目的としています。以下では、この調査結果から2021年10月に支払われた傷病手当金の傷病別の支給状況をみてみましょう。
 
 調査対象件数は154,897件で、傷病手当金の受給の原因となった傷病別に件数の構成割合を見ると以下のようになっています。

  1. 精神及び行動の障害 32.96%
  2. 新生物 14.56%
  3. 特殊目的用コード 10.79%
  4. 筋骨格系及び結合組織の疾患 8.87%
  5. 循環器系の疾患 7.79%
  6. 損傷・中毒及びその他の外因の影響 5.60%

 一番割合の高い「精神及び行動の障害」は、1995年は4.45%、2003年は10.14%、そして2021年には 32.96%と増加しており、メンタルヘルス不調が個人にとっても、企業にとっても、社会にとっても深刻な状況となっていることが分かります。企業として対応できることばかりではありませんが、まずはセルフケア、ラインケアの徹底から対策を進めましょう。

 ちなみに2023年1月より、協会けんぽの各種申請書の様式が変わり、この傷病手当金についても変更となります。旧様式の場合事務処理等に時間がかかることがあるため、申請をする予定のある従業員には新様式を案内しましょう。


参考リンク
協会けんぽ「現金給付受給者状況調査(令和3年度)」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat740/sb7200/sbb7206/20221012/
協会けんぽ「申請書の様式変更について」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat297/

(福間みゆき)