連合「2023春季生活闘争方針」で示された5%の賃上げ要求


 先日は日本経済新聞においてインフレ手当に関する記事が一面トップに掲載されるなど、物価高を背景とした賃上げの機運が高まっています。年明けの春闘においても「賃上げ」は大きな論点となりそうです。先日、連合は「2023春季生活闘争方針」を策定しました

 これによれば、来春の春闘の主な争点は以下のようになっています。

  • GDPも賃金も物価も安定的に上昇する経済へとステージを転換し望ましい未来をつくっていくことが必要だ。「未来づくり春闘」を深化させ、国・地方・産業・企業の各レベルで、日本の経済・社会が直面する問題に対する意識の共有化に努め、ステージを変える転換点とする必要がある。
  • 物価上昇によ って働く仲間の生活は苦しくなっており、賃上げへの期待は大きい。とりわけ、生活がより厳しい層への手当てが不可欠であり、規模間、雇用形態間、男女間の格差是正を強力に進める必要がある。
  • 企業内での格差是正の取り組みに加え、サプライチェーン全体で、生み出した付加価値とともにコスト負担も適正に分かち合うことを通じ、企業を超えて労働条件の改善に結びつけていく。
  • 各産業の「底上げ」「底支え」「格差是正」の取り組み強化を促す観点とすべての働く人の生活を持続的に維持・向上させる転換点とするマクロの観点から、賃上げ分を3%程度、定昇相当分(賃金カーブ維持相当分)を含む賃上げを5%程度とする。

 インフレ手当を先行して支給している企業も出ていますが、来年は物価高騰を受けてのベースアップの議論が多くの企業で進められることになりそうです。


参考リンク
連合「2023春季生活闘争方針」
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/index2023.html

(大津章敬)