2023年4月に施行される改正育児介護休業法による男性育児休業取得状況の公表

 2022年4月に改正された育児介護休業法ですが、その施行は3段階で行われています。2023年4月には、常時雇用する労働者が1,000人を超える企業の事業主は、男性労働者の育児休業等の取得状況を年1回公表することが義務付けられます。以下ではそのポイントをまとめましょう。
(1)対象企業
 対象となる企業は、常時雇用する労働者が1,000人を超える企業であり、「常時雇用する労働者」とは、雇用契約の形態を問わず、事実上期間の定めなく雇用されている労働者を指します。そのポイントは以下の通りです。

  • 期間の定めなく雇用されている者
  • 一定の期間を定めて雇用されている者または日々雇用される者であり、その雇用期間が反復更新されて事実上期間の定めなく雇用されている者と同等と認められる者。すなわち、過去1年以上引き続き雇用されている者または雇入れの時から1年以上引き続き雇用されると見込まれる者

(2)公表内容
 公表を行う日の属する事業年度の直前の事業年度(公表前事業年度)における次の1.または2.のいずれかの割合を指します。
1.育児休業等の取得割合
育児休業等をした男性労働者の数÷配偶者が出産した男性労働者の数
2.育児休業等と育児目的休暇の取得割合
(育児休業等をした男性労働者の数+小学校就学前の子の育児を目的とした休暇制度を利用した男性労働者の数の合計数)÷配偶者が出産した男性労働者の数

(3)公表方法
 インターネットなどの一般の方が閲覧できる方法で公表する必要があります。厚生労働省の「両立支援のひろば」も活用でき、厚生労働省ではその活用を呼び掛けています。

 対象企業は限定されますが、今年の重要な法改正の一つですので確実に対応しましょう。

[改正育児介護休業法への対応にご活用ください]
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参考リンク
厚生労働省「2023年4月から、従業員が1,000人を超える企業は男性労働者の育児休業取得率等の公表が必要です」
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001029776.pdf
両立支援のひろば
https://ryouritsu.mhlw.go.jp/

(大津章敬)