今春のベアに影響を与える物価高、2022年12月は前年比4.0%の上昇

 急速に進んだ円安はここに来て、少し円高方向に振れていますが、世界的な資源高を背景とした物価高は国民の生活に大きな影響を与えています。そのため、今年の春は多くの企業でベースアップの検討が行われると予想されていますが、その議論において確実に押さえておかなければならないのが消費者物価指数の変化です。そこで今回は、総務省から発表された2022年(令和4年)12月分及び2022年(令和4年)平均のデータを確認しましょう。

 まず、2022年12月分の消費者物価指数を見ると、総合指数は2020年を100として104.1となっており、前年同月比は4.0%の上昇。中でも光熱水道費は前年同月比15.2%、食料品も7.0%の大幅の上昇となり、物価高をけん引しています。また、2022年(令和4年)平均で見ると、総合指数は2020年を100として102.3、前年比は2.5%の上昇となっています。
 
 こうした結果から、物価については4%上昇という認識を基本に労使交渉が行われることになるでしょう。ベースアップの実施に当たっては、初任給相場の上昇などへの対応も一体で考える必要がありますので、これを契機として賃金制度全体を見直すというケースも増加するのではないでしょうか。


参考リンク
総務省「2020年基準消費者物価指数 全国 2022年(令和4年)12月分及び2022年(令和4年)平均(2023/1/20)」
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf

(大津章敬)