入社3年以下の新入社員の約半数が「3年以内に退職」と回答

 「新入社員が定着しない」、「若手の離職が目立つ」といった企業経営者・人事担当者の声は非常に多く聞かれます。そこで今回は株式会社リスクモンスターが公表した「第6回若手社員の仕事・会社に対する満足度調査」の結果を見てみることにしましょう。なお、本調査の対象は、新卒入社1~3年目の男女個人600人となっています。
(1)勤続意欲
 3年後は勤続し続けていないと思うという回答の割合は以下の通り。なお、()内は1年前の前回調査の結果です。
全体 47.5%(44.5%)
男性 42.3%(40.3%)
女性 52.7%(48.7%)
新卒入社1年目 38.5%(41.5%)
新卒入社2年目 55.0%(43.0%)
新卒入社3年目 49.0%(49.0%)

(2)3年以内退職希望者の1年後の勤続意欲
 「3年以内に退職」と回答した若手社員における「1年後は勤務し続けていないと思う」との回答割合は以下のようになっています。
全体 54.0%(53.6%)
男性 59.1%(55.4%)
女性 50.0%(52.1%)
新卒入社1年目 50.6%(48.2%)
新卒入社2年目 51.8%(58.1%)
新卒入社3年目 59.2%(54.1%)

(3)勤め続けたくない理由
 このように退職希望者がかなりの割合を占めている訳ですが、その理由の上位は以下のようになっています。
1位 給料が低い 36.8%
2位 仕事にやりがいを感じない 24.9%
3位 福祉厚生が不十分 14.4%
4位 転職を前提として入社した 12.6%
5位 残業が多い 10.5%
5位 上司を尊敬できない 10.5%
7位 働き方改革の取組が不十分 8.4%
8位 自身の成長が見込めない 8.1%
9位 休暇を取得しにくい 7.4%
10位 孤立・孤独を感じる 6.3%
 
 入社3年以内の新入社員の47.5%が「3年以内の退職」を意識し、そのうち54%が「1年後には勤務し続けていないと思う」と回答する状況となっています。インターンシップなど新卒採用を行う際の負担は年々大きくなり、実際に採用予定数を充足させることも困難な状況となっている中、当の新入社員の意識がこのような状況となると、中小企業を中心に新卒採用を見送るケースも増加しそうです。もっともその場合も中途採用とその定着という課題は残ります。改めて企業経営における人材の採用・育成・定着が大きなテーマであることを感じる調査でした。


参考リンク
リスクモンスター「第6回若手社員の仕事・会社に対する満足度調査」
https://www.riskmonster.co.jp/study/research/pdf/20230208.pdf

(大津章敬)