進むマイナンバーカードと健康保険証の一体化と保険証廃止に係る検討

 デジタル庁の公表によると、2023年2月12日時点でマイナンバーカードの累計申請件数は、86,616,864件となり、人口に対する申請件数率は68.8%になりました。

 このようにマイナンバーカードの普及が進む中で、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関して、検討が進められ、中間の取りまとめが公開されました。2024年秋に健康保険証の廃止を目指している中、今後の健康保険証およびそれに代わるものの取扱いについて、現段階のまとめを確認しておきます。

【健康保険証廃止後の資格確認の取扱いについて】
・マイナンバーカードによるオンライン資格確認を基本とする。
・マイナンバーカードによりオンライン資格確認を受けることができない状況にある方については、氏名・生年月日、被保険者等記号・番号、保険者情報等が記載された資格確認書(基本は紙)により被保険者資格を確認することとする。
・「マイナンバーカードによりオンライン資格確認を受けることができない状況にある方」は、具体的には、
①マイナンバーカードを紛失した・更新中の者
②介護が必要な高齢者やこどもなどマイナンバーカードを取得していない者
③ベビーシッターや介助者等の第三者が本人に同行して本人の資格確認を補助する必要がある場合や、家族や介助者等が本人の代理として薬局に薬剤を受け取りに行く必要がある場合
等が想定される。
・資格確認書は、本人の申請に基づき書面又は電磁的方法により、保険者から速やかに提供することとする。
資格確認書の有効期間は、1年を限度として各保険者が設定することとする。また、様式は国が定める。
※ 資格確認書の発行は、現行の保険証と同様、無償。
※ より良い医療を受けることが可能となることや、診療報酬による患者負担に差があることなど、マイナンバーカード利用の意義・メリットをわかりやすく伝える。

【その他、健康保険証廃止後のオンライン資格確認における実務上の課題】
1)発行済みの健康保険証の取扱い
 健康保険証廃止後、発行済みの健康保険証を1年間(先に有効期間が到来する場合は有効期間まで)有効とみなす経過措置を設ける。
2)マイナンバーカードの管理について
・施設等が本人に代わって入所者のマイナンバーカードを管理することに不安の声が聞かれた一方で、施設入所者等も、マイナンバーカード1枚で医療機関・薬局を受診等することにより、患者本人の過去の医療・健康情報に基づいた医療を受けるというメリットを活用いただく機会を保障する必要がある。
・医療機関・薬局の受診等の際にマイナンバーカードを第三者に預けることや、施設入所者のマイナンバーカードの管理の在り方などについて、取扱いの留意点等を整理した上で周知し、安心して管理することができる環境づくりを推進する。
(具体例)
・法定/任意代理人が被代理人のマイナンバーカードを管理する場合
・施設長が施設入所者分のマイナンバーカードを管理する場合
・乳幼児・要介護者等が医療機関・薬局受診等する際に、同行するベビーシッター・介助者等が本人のマイナンバーカードを持参する場合や、家族や介助者等が本人の代理として薬局に薬剤を受け取りに行く必要がある場合

 健康保険証の廃止で、総務担当者としては配布・回収の手間が削減されることになりますが、一方で資格確認書の発行の流れ等が気になるところです。今後の検討についても確認していくことにしましょう。


参考リンク
デジタル庁「マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会(第2回)」
https://www.digital.go.jp/councils/card-integration-mynumber-and-insurance/049442db-8ca3-4019-928a-c8b76aaa75d5/
(宮武貴美)