企業の育休取得の意向確認とその後の育休取得状況
厚生労働省は先日、「仕事と育児の両立等に関する実態把握のための調査研究事業」の報告書(以下、「報告書」という)を公開しました。この報告書では、育児・介護休業法の施行実態や企業・労働者の実態・ニーズを把握し、更なる方策等の検討に役立てることを目的として、厚生労働省の委託事業として実施されたものです。
報告書は、企業調査報告書と労働者調査報告書の2つに分かれています。人事担当を対象とした企業調査では、2022年4月に施行された、個別の制度周知・休業取得意向確認と雇用環境整備の項目もあり、その認知状況をみると、「知っていた」が96.0%、「知らなかった」が3.8%となりました。この結果から、法改正内容について高い関心を持ち、対応が進められていることが想像されます。
そして、休業取得の意向を確認後、育児休業等を取得したか(取得予定を含む)という項目では、「意向確認をした労働者全員が取得した」が41.3%でもっとも回答割合が高く、次いで「全員ではないが、おおむねの労働者が取得した」が22.2%、「誰も取得をしなかった」が17.6%とないう結果になっています。なお左のグラフにあるとおり、「意向確認をした労働者全員が取得した」という割合は、従業員規模が大きくなるに連れて高くなっています。
意向確認の有無に関わらず育休の取得を予定していた従業員も一定数含まれると思われますが、企業が育児休業等に関して推進をはかることで、従業員の育児休業の取得支援につながっていることが調査結果から予想されます。
報告書には、その他の項目も興味深いものが多くありますので、関心のある方はぜひ、確認してみてください。
参考リンク
厚生労働省「仕事と育児の両立等に関する実態把握のための調査研究事業
令和4年度厚生労働省委託事業」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000200711_00006.html
(宮武貴美)