子の看護休暇、34.3%の企業が有給の取扱いに
東京都産業労働局が公表した「令和4年度 職場のハラスメント防止への取組等 企業における男女雇用管理に関する調査」は、企業の様々な雇用管理の在り方を考えるにあたって非常によい資料となっています。そこで本日は、子の看護休暇の運用状況について見てみることにしましょう。
(1)子の看護休暇制度の有無
子の看護休暇に関して「規定あり」と回答した事業所は87.1%、「規定なし」は10.7%となっています。法律で定められた制度ですので、規定があって当然ではありますが、概ね9割の企業で子の看護休暇の規定が存在しています。
(2)子の看護休暇の賃金取扱い
子の看護休暇取得日における賃金の取扱いについて、法律の原則は無休とされていますが、その取扱いの状況は以下のようになっています。
全額賃金支給 27.3%
一部賃金支給 7.0%
無給 60.7%
このように子の看護休暇の取得日について、法律の定めを上回り有給としている企業が概ね3社に1社あるということが明らかになっています。
実際に子の看護休暇を有給としている企業の状況を見ると、無休の企業と比較し、圧倒的に取得率が高い傾向が見られますが、一方では子の看護の目的ではなく、上乗せ年休のような感覚で申請している従業員が一定数存在しているようだといった話もよく耳にします。仕事と子育ての両立支援の重要性も踏まえながらも、制度の趣旨から逸脱した取得が横行することにより、従業員間の不振や稼働率の低下などに繋がらないよう制度運用を行うことが求められます。
参考リンク
東京都産業労働局「令和4年度 職場のハラスメント防止への取組等 企業における男女雇用管理に関する調査」
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/toukei/koyou/danjo/r4/index.html
(大津章敬)