正社員では運送業、非正規従業員では飲食店・宿泊業で深刻な状況となっている人手不足
コロナを取り巻く環境も大きく変化し、先週末も各地は多くの人出で賑わい、ポストコロナを実感する状況となっています。実際に食事で訪れたあるお店も様々な工夫はしていたものの、それを帳消しにするに十分な人手不足の状況で大変そうな状況を目の当たりにしました。
このように実感ベースでも人手不足を感じる場面が多くなっていますが、ちょうどそんな調査の結果が東京商工リサーチより公表されましたので、その結果を見ていきましょう。正社員の状況は以下のとおりです。
(1)全体
非常に不足している 11.47%
やや不足している 55.07%
充足している 26.55%
やや過剰である 4.57%
非常に過剰である 0.22%
(2)資本金1億円以上
非常に不足している 13.31%
やや不足している 59.89%
充足している 23.47%
やや過剰である 3.15%
非常に過剰である 0.18%
(3)資本金1億円未満
非常に不足している 11.20%
やや不足している 54.36%
充足している 29.43%
やや過剰である 4.76%
非常に過剰である 0.23%
このように全体でも、「非常に不足している」と「やや不足している」の不足の合計は約66%となっています。これを業種別で見ると、道路旅客運送業が90.90%、道路貨物運送業が88.18%が正社員不足と回答しており、今後の2024年問題への対応の困難さが伝わってきます。なお、非正規従業員については、飲食店の85.00%、宿泊業の81.81%が不足と回答しており、今後のインバウンド需要の高まりにどこまで対応できるのか、不安が残る結果となっています。
人手不足は当面継続する構造的な課題ですので、そもそもマンパワーに頼らないオペレーションの在り方などを抜本的に考えていくことも重要となるでしょう。
参考リンク
東京商工リサーチ「 2023年 企業の「人手不足」に関するアンケート調査」
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20230417_01.html
(大津章敬)