「転勤の多い会社」が大学生が行きたくない会社の2位に上昇
時代によって働く人の意識は変化します。長年に亘って調査を行うことで、その変化を知ることには大きな価値がありますが、先日公表されたマイナビの「2024年卒大学生就職意識調査」も1979年卒(1978年調査)以来、45年間にも亘り、大学生の就職意識を調査しており、その変化がよく分かる素晴らしい資料となっています。今回はこの内容を取り上げましょう。
(1)企業を選択する場合にどのような企業がよいか
上位3つは以下のようになっています。
48.8% 安定している会社
30.5% 自分のやりたい仕事(職種)ができる会社
21.4% 給料の良い会社
時系列での変化を見ると、「安定している会社」と「給料の良い会社」が近年、大きく増加する一方、かつてもっとも回答が多かった「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」はじりじりと減少し、数年後には「給料の良い会社」と逆転が予想される状態となっています。その他、減少トレンドにある項目には以下のようなものがあります。
・働きがいのある会社
・海外で活躍できそうな会社
・自分の能力・専門を活かせる会社
(2)行きたくない会社
上位3つは以下のようになっています。
38.2% ノルマのきつそうな会社
29.6% 転勤の多い会社
24.1% 暗い雰囲気の会社
21.7% 休日・休暇がとれない(少ない)会社
14.7% 仕事の内容が面白くない会社
こちらも時系列の変化で見ると、かつては「暗い雰囲気の会社」がトップだったものが近年減少し、変わって「ノルマのきつそうな会社」と「転勤の多い会社」が増加しています。中でも「転勤の多い会社」は2018年卒までは20%前後で安定していたものが、ここ6年で10ポイント以上増加しています。リモートワークの普及により、転勤についての意識は大きく変化していることから、今後の人材採用において「転勤」というキーワードは非常に重要なものになっていくでしょう。
全体としては、大学生の関心が仕事の内容ややりがいよりも、給与や勤務地などの条件面に向いていることが気になる結果となっています。
参考リンク
マイナビ「2024年卒 大学生就職意識調査(2023/4/27)」
https://saponet.mynavi.jp/column/detail/20230425094226.html
(大津章敬)