「ジョブ型」採用に「興味がある」と回答した学生が8割を超える
働き手による主体的なキャリア形成への関心が高まっていますが、2025年卒の学生はキャリア形成をどのように捉えているのでしょうか。
学情が、2025 年3 月卒業(修了)予定の大学生・大学院生を対象に「キャリア形成」に関するインターネットアンケートを実施、結果を公表しています。インターンシップの広報が解禁となるタイミングで行われた調査となり、企業の関心を集めるような結果となっていますので、そのポイントを見ていきましょう。
【調査結果の概要】
- キャリアは「自身で主体的に選択したい」と回答した学生が6割を超え、「企業に委ねたい」と回答した学生の4倍に上った。
- 「ジョブ型」採用に「興味がある」と回答した学生が8割を超える。前年比13.8%増という結果に。
- 職種別に、具体的な仕事を体験できる「ジョブ型」のインターンシップに「参加したい」と回答した学生がは8割に。
その他、同調査に寄せられた「ジョブ型のほうが専門性を磨くことができると思う」「配属部署や仕事内容が明確だと、希望するキャリアを築きやすいと思う」といった学生の回答を見る限り、学生の間でも、キャリア自律の考え方や「ジョブ型」という言葉が、浸透してきているようです。
一方で「実際に仕事を体験することで、仕事のイメージを具体化したい」「ジョブ型は、仕事内容が明確だからこそ、入社前に適性を確かめることが必要だと思う」「実務を通して、職種で必要な能力があるか見極めたい」といった回答からもわかるように、学生側は、職種の知識や具体的な仕事のイメージはまだ十分に持っていないように見受けられます。
「選択肢を提示され、その中から自分に合ったものを選ぶことが普通である環境下で育ってきた」とも評されるZ世代。大学生たちに直接話を聞くと、「できればまずは会社側に自分を理解してもらい、自分に合った職種を提案してもらったうえで、その中から選びたい」といった本音(?)が出ることも少なくありません。
競争環境が厳しく変化のスピードも速い状況下で、企業は、事業戦略に適時対応し、高い専門性を持つ人材を処遇していくことがより求められるようになっている中で、ジョブ型採用への注目度は高まる一方です。ただ、現状下における、特に新卒採用の観点で言えば、学生の配属等への希望をそのまま聞き入れるということではなく、まずは学生・企業がお互いを観察し理解する機会を適切に設けることが重要になってくると考えられます。こうした施策は、いわゆる「配属ガチャ」への不安からの内定辞退や早期離職といったミスマッチの回避にもつながります。
インターンシップをそれらの機会の提供としては有効な手段となりますので、その機会を十分に活用できるよう、プログラム設計をしていけるとよいのではないでしょうか。
参考リンク
株式会社学情「2025年卒学生の就職意識調査(キャリア形成) 2023年5月版(2023/5/12)」
https://service.gakujo.ne.jp/press/230512
(菊地利永子)