中小企業の2023年昇給、総平均は7,864円(2.94%)

 物価高騰などを受け、賃上げの春となった2023年の春闘でしたが、中小企業の状況はどうだったのでしょうか。本日は、経団連「2023年春季労使交渉・中小企業業種別回答状況」の第1回集計結果を見ていくことにします。この調査は、従業員数500人未満の17業種754社を対象に実施されたもので、今回の結果は17業種277社の集計となっています。
 
 これによれば、2023年の昇給の総平均は7,864円(2.94%)となり、昨年度5,219円(1.97%)を大幅に上回る結果となっています。業種別では、製造業平均が8,349円(3.10%)、非製造業平均が7,076円(2.68%)となりました。
 
 大企業と比較し、財務面で劣る中小企業ですので、例年以上の昇給ができなかった企業が少なくない中でこの結果となっていますので、企業による二極化が進んでいる可能性が高いと考えられます。また、十分は昇給余力がない中で、無理をしているケースも少なくありません。継続的に初任給を含めた賃金が上昇している中、中小企業にとっては厳しい時代と言わざるを得ないでしょう。省人化も含めた生産性の大幅な向上が不可欠です。


参考リンク
経団連「2023年春季労使交渉・中小企業業種別回答状況[第1回集計:2023年6月23日]」
https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/045.pdf

(大津章敬)