令和4年度の精神障害にかかる労災支給決定件数は過去最多の710件

 厚生労働省は、令和4年度の「過労死等の労災補償状況」の結果を公表しました。脳・心臓疾患、そして精神障害それぞれの請求件数と支給決定件数は以下のようになっています。
(1)脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況

  • 請求件数は803件で、前年度比50件の増加。うち死亡件数は前年度比45件増の218件。
  • 支給決定件数は194件で前年度比22件の増加。うち死亡件数は前年度比3件減の54件。

(2)精神障害に関する事案の労災補償状況

  • 請求件数は2,683件で前年度比337件の増加。うち未遂を含む自殺の件数は前年度比12件増の183 件。
  • 支給決定件数は710件で前年度比81件の増加。うち未遂を含む自殺の件数は前年度比12件減の67件。

 脳・心臓疾患に関しては中期的に減少傾向が見られていましたが、令和4年度については若干増加に転じています。これに対し、精神障害の事案はグラフの通り右肩上がりを続けており、特にここ数年はグラフの角度もより高くなっています。改めて職場のメンタルヘルスケア、そしてハラスメント等の対策を徹底していきましょう。


参考リンク
厚生労働省「令和4年度「過労死等の労災補償状況」を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33879.html

(大津章敬)