民事上の個別労働紛争相談件数は「いじめ・嫌がらせ」が他を圧倒

 昔から職場のトラブルと言えば「解雇」でしたが、近年はその傾向が大きく変わっています。そこで本日は、厚生労働省の「令和4年度個別労働紛争解決制度の施行状況」から民事上の個別労働紛争相談件数の推移をグラフ化してみました。
 
 今年度から、労働施策総合推進法改正により集計方法が変わり(※)、少し比較が難しくなっていますが、いじめ・嫌がらせが職場の最大のトラブルであり、依然としてその件数が増加していることが分かります。その他の傾向を見ると、解雇をはじめとして多くのトラブルが減少する中、自己都合退職は継続的に増加しており、来年度にも2位になりそうな勢いです。深刻な人手不足が続く業界においては、退職させてもらえないといったトラブルがこれからも増加しそうです。
※令和4年4月の改正労働施策総合推進法の全面施行に伴い、同法に規定する職場におけるパワーハラスメント)に関する相談については同法に基づき対応されるため、「総合労働相談」のうち「法制度の問い合わせ」や「労働基準法等の違反の疑いがあるもの」として計上され、「民事上の個別労働紛争(のいじめ・嫌がらせ)」の相談件数には計上されていません。そこでこのグラフでは、「令和4年度都道府県労働局雇用環境・均等部(室)での男女雇用機会均等法、労働施策総合推進法、パートタイム・有期雇用労働法及び育児・介護休業法に関する相談、是正指導、紛争解決の援助の状況」の中の労働施策総合推進法に関する相談件数等相談件数50,840件を加算しています。


参考リンク
厚生労働省「「令和4年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00132.html
厚生労働省「令和4年度都道府県労働局雇用環境・均等部(室)での男女雇用機会均等法、労働施策総合推進法、パートタイム・有期雇用労働法及び育児・介護休業法に関する相談、是正指導、紛争解決の援助の状況について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001115878.pdf

(大津章敬)