労基署による「定期監督等」における違反件数の上位10項目

 厚生労働省では、毎年、労働基準監督年報を発行しており、労働基準監督署等による様々な活動実績を見ることができます。先日、この年報の令和3年版が公開されました。これによると、労働基準監督官が会社に来るような調査(監督)は、年間149,397件行われており、そのうち、毎月一定の計画に基づいて実施する監督等の「定期監督等」が122,054件(全体の81.7%)となっています。

 そして、この「定期監督等」の違反状況について、件数の多いものからトップ10をみると以下のようになっています。
1位 労働安全衛生法20~25条(安全基準)   23,823件
2位 労働安全衛生法66条~66条の6(健康診断) 22,139件
3位 労働基準法32条(労働時間)       18,007件
4位 労働基準法37条(割増賃金)       16,521件
5位 労働基準法108条(賃金台帳)        10,030件
6位 労働基準法15条(労働条件の明示)    10,025件
7位 労働基準法39条(年次有給休暇)      9,783件
8位 労働基準法89条(就業規則)        9,148件
9位 労働基準法施行規則24条の7条(年次有給休暇管理簿)7,370件
10位 労働安全衛生66条の8の3(時間把握)    6,414件

 この中で、7位の労働基準法39条(年次有給休暇)9,783件については、令和2年の3,486件から2.8倍となりました。また関連するものとして、9位に労働基準法施行規則24条の7条(年次有給休暇管理簿)が入っています。

 この機会に、年10日以上の年次有給休暇が付与された従業員について、年5日の取得ができているか、そして年次有給休暇管理簿が備えられているかを確認しましょう。


参考リンク
厚生労働省「令和3年 労働基準監督年報」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/kantoku01/dl/r03.pdf

(福間みゆき)