2023年10月の最低賃金大幅引き上げに対応する企業が83.2%

 今年の最低賃金の引上げですが、目安では全国平均で41円、加重平均で1,002円となっていましたが、多くの県で目安よりも高い答申が行われたことで、引き上げ額平均は43円、全国加重平均で1,004円になることとなりました。この過去最大の引き上げに当たって、企業がどのような対応を検討しているかの調査が帝国データバンクから出てきました。本日はこの内容を見ていきたいと思います。

 今回の最低賃金の引き上げへの対応としては、何らか「対応する」企業が83.2%、「対応しない」が10.4%となっており、大半の会社が何らかの対応を行う予定であることが分かります。その上で、具体的な対応策の上位は以下のようになっています。
もともと最低賃金よりも高いが、賃上げを行う 46.5%
最低賃金よりも低くなるため、賃上げを行う 25.0%
従業員のスキル向上の強化 24.0%
賞品やサービスの値上げ 21.3%
人件費以外のコスト削減 19.0%

 このように最低賃金割れの対策を行う企業以上に、最低賃金が引きあがることによって既存の従業員との差が縮小してしまったり、求人上の競争力が低下することへの対応として賃金引上げを行うことを検討している企業が多いことが分かります。こんなところからも人材の確保が企業の大きな課題になっていることが見えてきます。


参考リンク
帝国データバンク「最低賃金引き上げにともなう企業の対応アンケート(2023/8/9)」
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p230805.pdf

(大津章敬)