テレワーク実施率はコロナ以降で最低となる一方、実施意向は最高に

 最近は再び新型コロナ感染という話を聞くことが多くなっていますが、5類移行後、明らかに新型コロナに関する社会の雰囲気が変わりました。これによりテレワークを廃止する企業も増加しています。本日はパーソル総合研究所の「第8回・テレワークに関する調査/就業時マスク調査」より、テレワークの実施状況、従業員の意識等について取り上げます。なお、今回の結果は2023年7月13日~18日に実施された3万人規模の調査の内容となっています。
 
 これによれば、2023年7月のテレワーク実施率は22.2%で、2020年4月以降でもっとも低くなりました。テレワーク実施率がもっとも高かったのは2022年2月の28.5%でしたが、2022年7月の調査では25.6%に減少し、今回は22.2%と徐々に実施率が低下しています。
 
 これを企業規模別で見ると以下のようになっていますが、下落幅としては規模の大きな企業ほど大きくなっています。
 従業員10,000人以上 35.4%(46.9%)
 従業員1,000人以上10,000人未満 31.3%(39.9%)
 従業員100人以上1,000人未満 20.4%(26.1%)
 従業員10人以上100人未満 12.5%(15.4%)
※( )内は2022年2月時の実施率

 これに対し、テレワーク実施者のテレワーク継続意向は徐々に増加し、81.9%と過去最高の結果となっています。つまり、テレワークが縮小する一方で、実施意向が高まるという逆の状況になっており、従業員の不満が起きやすい状況にあると言えます。テレワークには生産性やコミュニケーション面などで課題があるのも事実ですので、今後の対応については労使でしっかりと議論して、前向きな結論を導き出したいものです。


参考リンク
パーソル総合研究所「第8回・テレワークに関する調査/就業時マスク調査」
https://rc.persol-group.co.jp/news/202308151000.html

(大津章敬)