経団連調査の2023年中小企業賃上げ平均は8,012円(3.00%)
今春は物価高騰や人材採用の難化などの背景から歴史的な賃上げの春となりましたが、先日、経団連から「2023年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果」の最終集計が公表されました。今回はこの内容を取り上げ、中小企業の賃上げの状況を確認していきましょう。なお、この調査は従業員数500人未満の17業種754社を対象に実施されたもので、今回は17業種367社の結果を集計したものとなっています。
これによれば、2023年の中小企業の賃上げ総平均は8,012円(アップ率3.00%)となりました。昨年実績は5,036円(1.92%)でしたので大幅な伸びとなっています。なお企業規模別で見ると以下のような結果となっています。
100人未満 7,582円(3.01%)
100人以上300人未満 7,576円(2.88%)
300人以上500人未満 8,535円(3.11%)
10月には過去最大の最低賃金の引き上げが行われ、また多くの初任給水準の上昇などを勘案すれば、来春もこの賃上げの動きは継続することになるでしょう。賃上げ原資を確保するための生産性向上や価格転嫁などの対策が求められます。
参考リンク
経団連「2023年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(最終集計 2022/8/10)」
https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/058.pdf
(大津章敬)