いまの会社は20年後もあると回答した新入社員は49.9%に止まる
第四次産業革命といわれる現代。DXなどにより日々、ビジネスの環境が大きく変化していますが、それは社員の会社に対する意識にも大きな影響を与えているようです。そこで本日はマイナビが実施した「2023年新入社員の意識調査」から、新入社員が会社の今後についてどのように見ているのかを確認して行きましょう。
かつては、「終身雇用」「年功序列」「企業内組合」の3つが日本的経営の「三種の神器」と言われたものですが、働く側にとっても終身雇用という意識が当たり前のようにありました それはそもそも現在の会社が今後数十年にわたって存続するということが前提になっていた訳です。しかし近年、終身雇用という考え方はほぼなくなり、社員の転職が当たり前のものになっていますが、その前提にある従業員の意識にはどのような変化が起こっているのでしょうか。
この調査では「いまの勤め先が何年後まであるか」という設問があり、その回答は以下のようになっています。
3年以内 0.9%
~5年後くらい 4.1%
~10年後くらい 10.5%
~20年後くらい 11.9%
20年以上 49.9%
分からない 22.8%
このように「いまの会社が20年以上ある」と考える新入社員が49.9%に止まることが分かりました。このような状況では当然、社員はいつでも転職できる汎用的なスキルを身につけることを重視することになります。現実的に仕事の内容が大きく変化する時代になっていますのでリスキリングを行ない、新たな環境に適応できる能力を身につける重要性が高いことは言うまではありません。しかし企業としては同時に、従業員が自社で安心して長く働けるという認識を持てるようなビジョン、そして経営方針を示すことが重要な課題になっているとも感じます。
政府が進める三位一体の労働市場改革においてもリスキリングを行ない、成長分野への転職を促すという方針が示されていますが、企業としては人材流出を放置することはできません。常に企業を取り巻く環境の変化に対応し、新たなビジネスを創造することで、企業の存続発展を確かなものにして行きたいものです。
参考リンク
マイナビ「2023年新入社員の意識調査(2023/8/21)」
https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/careertrend/15/
(大津章敬)