検証が進められる失業認定のオンライン化

 デジタル技術の発展により、行政の手続きのオンライン化が進んでいます。一方で対面での手続きが引き続き求められているものもあります。その一つが会社を離職した後に雇用保険の基本手当における失業認定であり、失業者はハローワークに出向くことにより失業認定を受け、基本手当が受給できる仕組みになっています。

 2023年6月16日に閣議決定した規制改革実行計画では、失業認定について、全員一律にハローワークへの来所を求めている原則的な取扱いを、デジタル技術の活用により見直すことを対策(失業認定のオンライン化)を盛り込んでいます。具体的には、2023年夏から、大規模労働局において以下の取組を実施するとしました。
・ハローワークへの出頭が大きな負担となっている者について、既に実施中の市町村取次の対象者に加え、難病患者、長期療養者、子育て中の者等についても、オンライン面談による失業認定を可能とする。
・計画的な早期再就職を目指してハローワークの支援を受ける者について、オンラインでの手続のみによる失業認定を可能とする。
 厚生労働省は、特にオンラインでの手続のみによる失業認定に係る効果検証を踏まえた上で、諸外国の実態も参考にしつつ、デジタル技術を活用した雇用保険制度の失業認定関連手続の在り方について検討し、2024年6月を目途に結論を得る。

 厚生労働省の発表によると、2023年7月24日以降に最初の手続き(受給資格決定)を行う人のうち希望者が失業認定のオンライン化の対象になるとのことで、一部の地域の一部の失業者のみが対象になりますが、実証が進められています。

 なお、「オンライン失業認定システム操作マニュアル(受給資格者用)」のリーフレットが公開されているため、どのような流れなのかはこのマニュアルから確認することができます。


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2023年8月10日「オンライン失業認定システム 操作マニュアル(受給資格者用)」
https://roumu.com/archives/118465.html
参考リンク
厚生労働省「デジタル技術を活用した失業認定を実施します  ~全国9所のハローワークで、障害がある方や子育て中の方など 来所が難しい方等を対象に実施します~」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34276.html
(宮武貴美)