「雇用による副業・兼業」を認めている企業が25.7%

 コロナ禍の中で副業・兼業というキーワードが注目され、現在に至っていますが、実際の企業における副業・兼業を取り巻く状況はどのようなものなのでしょうか。本日は、公益財団法人産業雇用安定センターが実施した「従業員の「副業・兼業」に関するアンケート調査結果」を見ていくことにしましょう。なお、本調査の調査対象数は7,609社(同センター賛助会員企業等)で、回答数は1,054件となっています。

 これによれば、従業員の副業・兼業の容認状況は以下のようになっています。
「雇用による副業・兼業」を認めている 25.7%
今後「雇用による副業・兼業」を認める予定 6.2%
「個人事業主等としての副業・兼業」を認めている 13.4%
今後「個人事業主としての副業・兼業」を認める予定 3.1%
認める予定はない 27.7%
検討していない 23.9%

 このように約半数が認める予定はない、検討していないという回答となりましたが、逆に言えば、残りの半数は何らかの形で副業・兼業を認めている、もしくは認める予定と回答しており、副業・兼業を容認する企業が増加していることが分かります。この調査は雇用の流動化に関心が高いと思われる産業雇用安定センターの調査であることを差し引いても、かなり高い水準であると考えられます。

 一方、他社の従業員(常用労働者)を副業・兼業で受け入れているかという設問については、以下のように7割超の企業で検討していない、今後の受け入れる予定はないと回答しています。
検討していない 45.9%
受入れる予定はない 28.4%
「雇用による副業・兼業」として受入れている 11.4%
「雇用による副業・兼業」として受入れる予定 5.7%
「個人事業主等としての副業・兼業」として受入れている 5.2%
「個人事業主等としての副業・兼業」として受入れる予定 3.4%

 このように他社の人材を副業・兼業で受け入れるという企業はまだまだ少ないという結果になっていますが、その課題の1位は「労務管理の困難さ(労働時間管理・シフト調整・給与計算・安全衛生等)」となっており、労働基準法における労働時間通算ルールなどの規制がその制約となっていることが分かります。

 もっとも人材確保が難しい環境の中、短時間でも専門知識・能力を持った人材を活用する価値は大きいと思われます。今後、労働時間通算ルールなどの見直しも期待しながら、新たな働き方・働いてもらい方の選択肢を検討していきましょう。


参考リンク
公益財団法人産業雇用安定センター「従業員の「副業・兼業」に関するアンケート調査結果の概要」
https://www.sangyokoyo.or.jp/topics/2023/p1ii5q0000006t3n-att/besshi2.pdf
公益財団法人産業雇用安定センター「副業・兼業に関する情報提供モデル事業(ビジネス人材雇用型副業情報提供事業)を10月2日から開始します」
https://www.sangyokoyo.or.jp/topics/2023/fukugyo_kengyo_20230921.html

(大津章敬)