RJP(リアルな仕事情報の事前提供)の実施により33.1%の企業で入社後の定着率が上昇
今回はマイナビの「中途採用実態調査2023年版」の結果を取り上げたいと思います。この調査は、2023年1~7月に中途採用業務を担当し、募集活動をしており、採用費用の管理・運用に携わっている人事担当者を対象に実施されたもので、有効回答数は1,600件となっています。まず正社員の過不足感としては「不足を感じている」が43.1%となり、やはり人手不足の企業が多いという結果になっていますが、今回はRJPの実施状況とその効果についての結果を見ていくことにしましょう。
RJPとは「Realistic Job Preview」の略で、入社者に職場の良い面も悪い面を詳細に伝えることで、入社後のギャップを抑える手法のことを言います。このRJPを意図的に行っている企業の割合は77.8%と、かなり多くの企業で実施されていることが明らかになりました。
そして、その効果は以下のようになっています。
■応募数
増えた 31.8% 変わらない 57.9% 減った 10.3%
■面接数
増えた 30.9% 変わらない 58.9% 減った 10.1%
■選考途中の辞退数
増えた 19.9% 変わらない 63.7% 減った 16.4%
■入社後の定着率
増えた 33.1% 変わらない 56.9% 減った 10.0%
このように「選考途中の辞退数」は若干増加しているものの、「入社後の定着率」は33.1%で増えたと回答しており、RJPが早期離職防止に大きな効果があることが明らかになっています。「応募数」や「面接数」も3割強で増えてとなっていることを考えれば、今後、更に積極的な職場情報の発信を行うことが望まれます。
参考リンク
マイナビ「中途採用実態調査2023年版(2023/9/27)」
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20230927_59865/
(大津章敬)