労働条件通知書に「就業規則を確認できる場所や方法」の記載が必須になるのか?
2024年4月から、労働条件明示のルールが変更となります。その内容については、関連記事で取り上げたとおりですが、あわせて公開されたモデル労働条件通知書には、「就業規則を確認できる場所や方法」を記載する欄が新たに設けられており、この項目も必ず記載が必要になるのか疑問に思われた方もいるかと思います。
そもそも就業規則等の周知については、「就業規則等を労働者が必要なときに容易に確認できる状態にあることが「周知させる」ための要件である。」と示されています。
その通知方法は、①常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付ける、②書面を労働者に交付する、③磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する、があげられています。
今回の労働条件明示のルールの変更により、行政通達(※)が発出され「使用者は、就業規則を備え付けている場所等を労働者に示すこと等により、就業規則を労働者が必要なときに容易に確認できる状態にする必要があるものであること」とされました。これに伴い、モデル労働条件通知書へ「就業規則を確認できる場所や方法」の欄が追加されました。
就業規則を確認できる場所や方法の記載が、必ずしも労働条件の必須の記載事項になったわけではありませんが、行政通達に従い何らかの方法で労働者に通知しておくことは求められます。
※令和5年10月12日付け基発第1012第2号「労働基準法施行規則及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令等の施行等について(無期転換ルール・労働契約関係の明確化等)」
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2023年10月18日「労働条件通知書(一般労働者用・常用、有期雇用型)」
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2023年10月13日「来年4月から始まる労働条件の明示ルール明示方法の詳細等が明らかに」
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2023年4月3日「通達などが発出された2024年4月の労働条件明示事項の追加」
https://roumu.com/archives/115976.html
参考リンク
厚生労働省「令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32105.html
(宮武貴美)