61.5%の企業が人事制度や雇用慣行を変える必要性を感じると回答
ここ数年、多くの企業で人事制度改定が積極的に行われています。そこで今回はリクルートが行った「企業の人材マネジメントに関する調査2023」から、人事制度に関する意識を見ていきましょう。なお、この調査は企業で働く人事担当者5,048人を対象に行われたもので、今回の結果はそのうち、従業員規模30人以上の企業に勤める2,761人が集計対象となっています。
(1)人事制度や雇用慣行を変える必要性
ビジネス環境の変化や人事管理の難易度の高まりを受けて、61.5%の企業が人事制度や雇用慣行を変える必要性を感じているという結果になっています。なお、属性を見ると、従業員規模が大きく、グローバル展開をしている、社歴が長い企業の方がその回答率が高くなっています。
18.1% 強く感じている
43.4% やや感じている
25.8% どちらとも言えない
10.9% あまり感じていない
1.8%まったく感じていない
(2)人事制度や雇用慣行を変える必要性がある理由
57.7% 既存従業員のモチベーションを高めるため
41.0% 組織の多様性を高めるため
40.6% 採用市場で自社が必要とする人材の確保が難しいため
37.5% 既存従業員の離職率を改善するため
35.0% 世の中の社会的な要請に応えるため
33.2% 法律の改正。制定に対応するため
27.6% 事業活動の継続や更なる推進が困難であるため
25.0% グローバルで統一した人事管理が求められているため
24.9% 業界水準や競合と比べて制度内容や待遇が劣位であるため
このように多くの企業が人事制度や雇用慣行の見直しの必要性を感じているという結果になっていますが、そのキーワードとしては「多様性」「人材確保」「離職率改善」といったものが挙げられます。コロナ禍を通じ、働く人の意識も大きく変わり、人材難も更に深刻化しています。これからは人事の安定的な確保のための人事制度・雇用制度改革が積極的に行われることになるでしょう。
参考リンク
リクルート「企業の人材マネジメントに関する調査2023 人事制度/人事課題編(2023/11/1)」
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/2023/1101_12712.html
(大津章敬)