退職代行の利用率は2% 職場の人間関係などが背景に
ここ数年、従業員の退職の際、退職代行のサービスが利用されることがあります。この実態についてエン・ジャパンが調査を実施しました。非常に珍しい調査ですので、そのポイントを取り上げたいと思います。なお、この調査の対象は同社の「エン転職」を利用するユーザーで、有効回答数は7,749名となっています。
(1)退職代行というサービスを知っていますか?
知っている 72%
知らない 28%
(2)退職代行サービスを利用したことがありますか?
ある 2%
ない 93%
自分ではなく同僚や知人が利用した 5%
(3)【退職代行サービスを利用したことがある」との回答者】退職代行を利用した理由を教えてください。
50% 退職を言い出しにくかったから
44% すぐに退職したかったから
32% 人間関係が悪かったから
31% パワハラやセクハラの被害に遭っていたから
27% 退職を認めてもらえなかったから
(4)【退職代行サービスを利用したことがある」との回答者】どのような環境や条件があれば、退職代行を利用しなかったと思いますか?
60% 上司が話しやすい
56% 職場の人間関係がよい
42% 退職意向をきちんと認めてくれる風土がある
このように退職代行の利用率は2%とそれほど高いものではありませんが、実際の利用の背景には職場内の人間関係に問題があるケースが多いと考えられます。退職代行からの退職申し出を受けた企業の多くは「直接言ってくれればいいのに」という感想を持たれることが通常ですが、同時に直接言い出すことができなかった何らかの問題が起きていると考えることも必要なのでしょう。
参考リンク
エン・ジャパン「7700人に聞いた「退職代行」実態調査(2023/10/31)」
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2023/34896.html
(大津章敬)