協会けんぽの被扶養者資格再確認における年収の壁への対応

 10月20日に、厚生労働省より「年収の壁・支援強化パッケージ」が公表され、人手不足による労働時間延長等に伴う一時的な収入変動である旨の事業主の証明を添付することで、迅速な被扶養者認定を可能とする方針が示されました

 協会けんぽでは、令和5年度被扶養者資格再確認に前後するタイミングでの公表であり、この資格再確認における具体的な対応については、後日発表されることになっていました。その対応が、昨日(11月9日)に公表となりました。

1.令和5年度被扶養者資格再確認で提出するもの等について
 被扶養者状況リスト等の提出にあたって、被扶養者の収入確認を行った際に、年収が130万円(被扶養者が60歳以上または一定の障害者の場合は180万円)以上の場合であって、人手不足による労働時間延長等に伴い、一時的に収入が増加していることが確認できた場合は、被扶養者状況リストの「変更なし」にチェックをしたうえで、「一時的な収入変動」に係る事業主の証明を被扶養者状況リスト等と併せて提出することになります。なお、この際、収入を確認する書類(所得証明書等)の提出は必要とされません

2.協会けんぽからの照会について
 被扶養者状況リスト等を提出する際に、「被扶養者調書兼異動届(解除用)」の添付があり、扶養解除の理由が「3.就職・収入増加」(配偶者である被扶養者の場合)または、「3.収入増加」(配偶者以外の被扶養者の場合)が選択されている場合は、協会けんぽから、収入増加の理由が人手不足による労働時間延長等に伴う一時的な収入増加でないか文書照会が行われる場合があります。
 文書が到着した際は内容を確認し、扶養解除を予定している被扶養者の収入増加の理由が、人手不足による労働時間延長等に伴う一時的な収入増加である場合は、「一時的な収入変動」に係る事業主の証明を加入の都道府県支部まで提出することになります。
 なお、収入増加の理由が、人手不足による労働時間延長等に伴う一時的な収入増加でない場合は、事業主の証明を提出する必要はありません。

 会社としては、従業員に被扶養者となっている家族の収入を確認するとともに、年収が130万円以上となっているときには、確実に事業主の証明を提出してもらう必要があります。被扶養者の家族の勤務先が証明する書類となるため、発行までに時間を要する場合があります。できるだけ早めの案内が重要となります。


参考リンク
厚生労働省「年収の壁・支援強化パッケージ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00002.html
参考リンク

協会けんぽ「事業主・加入者のみなさまへ「令和5年度被扶養者資格再確認の実施方法等について」(令和5年11月9日更新)」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/event/cat590/info231023/
協会けんぽ「事業主・加入者のみなさまへ「令和5年度被扶養者資格再確認について」(令和5年11月9日更新)」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/event/cat590/info230816/
(宮武貴美)