新入社員1年目最大の壁は「仕事に正解がなく、どうすればよいか分からないことが多かった」

 年が明けると、新入社員の受け入れ準備も本格化していきますが、近年は新入社員の早期離職が毎年話題になっています。そこで今回はリクルートマネジメントソリューションズの「新人・若手の早期離職に関する実態調査」の中から、入社後1年目の壁について見ていくことにしましょう。なお、調査対象は、社会人1~3年目(大学・大学院卒のみ)の一般企業・公務員・教職員・非営利団体の正社員・正職員として勤務する者435名となっています。
 
 この設問に対する回答の上位は以下のようになっています。
27.1% 仕事に正解がなく、どうすればよいか分からないことが多かった
21.1% 与えられた仕事の意味ややりがいが感じられず、やる気が出なかった
19.3% 仕事が忙しく、プライベートに割ける時間が少なかった
18.9% 想定以上にできない自分にショックを受け、自信をなくした
18.4% 学生時代や入社の同期に比べ、成長に後れをとっている気がして焦りを感じた
17.0% 周りにどう思われているかが不安で、自分を出せなかった
16.3% 上司や周囲への関わり方が分からず、一人で抱え込むことがあった
14.3% 上司や周囲と価値観が合わず、人間関係や仕事を進める上で苦労した

 このように「仕事に正解がなく、どうすればよいか分からないことが多かった」が他の回答よりも頭一つ抜けた1位となりました。トーマス・F・ストローのH理論のように部下の発達段階によって効果的なリーダーシップの在り方は変化します。新入社員は、まだ仕事を行うに必要な十分な知識や経験がありませんから、仕事で戸惑うことも多いでしょう。5月病などを防止する意味からも、新入社員の受け入れに当たっては、仕事の意味から丁寧に説明した上で、具体的なタスクを指示するところから始めていきましょう。


参考リンク
リクルートマネジメントソリューションズ「新人・若手の早期離職に関する実態調査(2023/11/8)」
https://www.recruit-ms.co.jp/press/pressrelease/detail/0000000417/

(大津章敬)