厚生労働省から公表された「貨物軽自動車運送事業の自動車運転者に係る労働者性の判断事例」

 先日、厚労省のサイトに、貨物軽自動車運送事業の自動車運転者に係る労働者性の判断事例が公表されました。これは、業務委託契約を締結し、個人事業主とされていた貨物軽自動車運送事業の自動車運転者から労災請求がなされた事案において、労働基準監督署による調査の結果、労働基準法上の「労働者」に該当すると判断されたものがあったことから、実際に「労働者」に該当すると判断された事例をまとめたものになります。以下の3つの事例がとり上げられています。

  • 荷主が元請事業者に配送を委託するとともに、当該元請事業者が配送員に対して、委託契約書に基づき、再委託(配送員は個人事業主扱い)。当該配送員が業務中に負傷したことから、労災保険給付の対象となるか否かについて、当該配送員から労働基準監督署に相談があった事例
  • 荷主が元請事業者に配送を委託するとともに、当該元請事業者が配送員に対して、委託契約書に基づき、再委託(配送員は個人事業主扱い)。報酬(賃金)不払いについて、当該配送員から労働基準監督署に相談があった事例
  • 荷主や元請物流事業者が元請事業者に配送を委託するとともに、当該元請事業者が配送員に対して、委託契約書に基づき、再委託(配送員は個人事業主扱い)。報酬(賃金)不払いについて、当該配送員から労働基準監督署に相談があった事例

 契約上、個人事業主とされている場合でも、実態として、労働基準法上の労働者に該当する場合には、労働基準関係法令を遵守する必要があります。今回の資料も参考に、適切に対応するよう呼び掛けています。該当する事業者は、内容を確認しておきましょう。


参考リンク
厚生労働省「貨物軽自動車運送事業の自動車運転者に係る労働者性の判断事例について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/roudoujouken05/index_00010.html

(福間みゆき)