2024年春闘第1回回答集計は33年振りに5%を超える歴史的内容に

 2024年3月14日の春闘集中回答日は、軒並み満額回答という歴史的な1日となりました。連合では、3月15日午前10時時点で、2024春季生活闘争の第1回回答集計を行い、その結果を公表しました。以下ではその内容を見ていきましょう。

  1. 平均賃金方式で回答がなされた771組合の加重平均は16,469円・5.28%(昨年同時期比4,625円増・1.48ポイント増)となった。1991年(5.66%)以来33年ぶりに5%を超えている。
  2. 賃上げ分が明確にわかる654組合の賃上げ分は11,507円・3.70%(同4,600円増・1.37ポイント増)で、賃上げ分が明確にわかる組合の集計を開始した2015闘争以降、最も高くなった。
  3. 771組合のうち、300人未満の中小組合358組合の加重平均は11,912円・4.42%(同2,886 円増・0.97 ポイント増)、うち賃上げ分が明確にわかる268組合の賃上げ分は8,388 円・2.98%(同2,664円増・0.86ポイント増)となった。
  4. 有期・短時間・契約等労働者の賃上げ額は、加重平均で、時給71.10円(同9.37円増)・月給15,422円(同4,824円増)と、昨年同時期を大幅に上回った。引上げ率(概算)は時給6.47%・月給 6.75%で、いずれも一般組合員(平均賃金方式)を上回っている。

 連合は「交渉に真摯に応じ社会の期待に沿った回答を決断した経営側にも敬意を表する」とのコメントも出しており、今回の春闘がこれまでの流れを完全に変える内容であったことがよく分かります。あとはこの流れが、業績面で余裕があるとは言えない中小企業にどこまで波及するのかが注目されます。


参考リンク
連合「2024 春季生活闘争 第1回回答集計結果(2024/3/15)」
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2024/yokyu_kaito/kaito/press_no1.pdf
連合「2024年春闘」
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/index2024.html

(大津章敬)