2024年4月入社者の大卒初任給平均は前年比+8,706円の226,341円

 今春の賃上げ、そして採用環境の悪化に伴い、2024年度の初任給については大幅な増加が予想されていましたが、先日、産労総合研究所より「2024年度 決定初任給調査」の中間集計が公表されました。本日はその内容について取り上げます。なお、本調査は同社の会員企業および上場企業から一定の方法で抽出した3,000社を対象として実施されたもので、今回の集計は4月12日までに回答があった141社の結果となっています。
(1)初任給の改定状況

  • 2024年4月入社者の初任給を「引き上げた」企業は70.2%となりました。この水準は、前回2023年度調査の中間集計(60.4%)から9.8ポイント、最終集計(68.1%)から2.1ポイントの増加となっています。
  • 従業員規模別で見ると、「1,000人以上」84.2%、「300~999人」79.5%、「299人以下」62.7%となっており、規模が大きな企業ほど引き上げた事業の割合が多くなっています。

(2)初任給の水準
 2024年4月入社者の学歴別初任給額の水準は以下のとおりとなっています。なお、( )内は対前年増加額です。
大学院卒 博士 246,191円(+9,155円)
大学院卒 修士 248,657円(+9,660円)
大学卒(一律) 226,341円(+8,706円)
短大卒 事務 199,256円(+7,646円)
高専卒 技術 207,951円(+7,905円)
高校卒(一律) 189,723円(+8,349円)
専修・専門技術学校卒 2年修了 199,869円(+6,604円)
専修・専門技術学校卒 3年修了 204,894円(+7,917円)

 このように前年比8,000円前後の引き上げになっています。大卒などは25万円台の初任給を打ち出す企業も増えており、以前とは状況が大きく異なっていますが、今後も最低賃金の引き上げなども相俟って当面は上昇を続けると予想されます。中小企業にとっては新卒採用が難しい時代になっていきます。


参考リンク
産労総合研究所「2024年度 決定初任給調査 中間集計(2024/4/23)」
https://www.e-sanro.net/research/research_jinji/chinginseido/shoninkyu/pr2404.html

(大津章敬)