新入社員の就職先決定のポイントの上位は「処遇」「職場の雰囲気」「福利厚生」

 新入社員の入社から概ね1か月が経過しましたが、東京商工会議所は同所が実施した新入社員研修の受講者1,021名を対象とした意識調査の結果を公表しました(回答数:957名)。本日はその中から「就職先の会社を決める際に重視したこと」について見ていきたいと思います。
 
 以下がその結果となりますが、「処遇」「職場の雰囲気」「福利厚生」が上位となっており、仕事の内容よりも処遇や環境を重視する傾向が見られます。
56.0% 処遇面(初任給、賃金、賞与、手当など)
54.3% 社風、職場の雰囲気
45.4% 福利厚生
43.5% 就職先の会社の事業内容
40.9% 働き方改革、ワークライフバランス(年休取得状況、時間外労働の状況など)
26.9% 人材育成・研修制度、自己啓発への支援
17.0% 柔軟な働き方(テレワーク、時差出勤、フレックスタイム制、裁量労働制など)
14.1% 就職先の会社の強みや経営力
13.4% 経営法人、経営計画、社是
8.3% 就職先の会社の事業の社会への貢献度
7.9% 出産・育児等との両立支援

 また、「就職先の会社でいつまで働きたいか」という設問においては、「定年まで」が21.1%となり、10年前の2014年度調査(35.1%)と比べて14.0ポイント減少しています。また、「チャンスがあれば転職」も26.4%となり、10年前の2014年度調査(11.9%)と比べて14.5ポイント増加しており、新入社員において、転職によるキャリアアップという意識が強くなっていることが明らかになっています。
 
 このように考えると、人材の定着促進と同時に、労働市場から中途採用で人材が確保できる環境整備が重要になっていることも分かります。 


参考リンク
東京商工会議所「2024年度 新入社員意識調査(2024/4/22)」
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1202805

(大津章敬)