規制改革実施計画に盛り込まれた人事労務関係テーマ
2024年6月21日に内閣府より、規制改革実施計画が公表されました。これは、規制改革推進会議が取りまとめた答申等により示された規制改革事項について、政府として計画的かつ着実な実施を図るため、担当府省や実施時期を定めたものとなります。
この計画の中で、人事労務分野に関係する内容としては以下のようなテーマが挙げられています。
- フリーランス・ギグワーカーの労働者性及び保護の在り方
- 労使双方が納得する雇用終了の在り方
- 「自爆営業」の根絶
- 副業・兼業の円滑化
- 従業員等に対する株式報酬の無償交付を可能とする会社法の見直し
中でも注目を集めている「副業・兼業の円滑化」については、以下のように割増賃金にかかる労働時間通算の見直しが取り上げられ、令和6年度に結論を得るとされています。
「厚生労働省は、①副業・兼業を行う労働者の健康管理のため、その所属する送り出し企業及び受入れ企業の双方における労働時間の通算管理が必要である一方、割増賃金の支払に係る労働時間の通算管理については、制度が複雑で企業側に重い負担となるために雇用型の副業・兼業の認可や受入れが難しいとの指摘があること、②米国、フランス、ドイツ、イギリスでは割増賃金の支払において労働時間の通算管理を行っていないことに鑑み、働き方改革関連法の見直しに係る検討会において、割増賃金の支払に係る労働時間の通算管理の在り方について、労働基準法等の関係法令における行政解釈の変更も含めて検討し、結論を得る。」
この方針は、成長戦略2024年改訂版にも盛り込まれていますが、次回、労働基準法改正を待つことなく、先行した解釈変更などによる通算ルールの見直しが行われる可能性が高いのかも知れません。
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2024年6月26日「成長戦略2024年改訂版に盛り込まれた副業・兼業における割増賃金支払係る労働時間通算の見直し」
https://roumu.com/archives/123239.html
参考リンク
内閣府「規制改革実施計画」
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/p_plan.html
(大津章敬)