人材不足企業、前年比▲5ポイントの63.0%

 我が国は少子高齢化という構造的課題を抱えていることから、多くの企業で人手不足の状態にあります。しかし、ここに来て、若干風向きが変わったような印象を受けます。そこで今回は、東京商工会議所の「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査」の中から、人材不足の状況と深刻度について見ていくこととしましょう。なお、この調査は、全国47都道府県の企業を対象に実施されたもので、回答企業数は2,392社、調査期間:2024年7月8日~7月31日となっています。
 
 これによれば、人手不足の状況は以下のようになっています。なお、()内は前年度からの変化です。
 不足している 63.0%(▲5.0ポイント)
 過不足はない 35.2%(+5.5ポイント)
 過剰である 1.8%(▲0.4ポイント)

 このように不足しているという回答が前年比で▲5ポイントとなっています。なお、全体としてはこのように減少傾向が見られますが、業種別では以下の業種で特に人手不足が深刻な状態となっています。なおこうした業種ではシニア人材などの活用が積極的に行われているという結果も出ています。
 運輸業 83.3%
 建設業 79.2%
 宿泊・飲食業 72.7%
 介護・看護業 63.9%

 いくらか状況は改善したとはいえ、人手不足の状況は依然として継続しています。これからの時代、人材の確保が何よりも重要な経営課題となっていきます。事業継続のためには、安定的な人材の採用・育成・定着が不可欠であると考え、職場環境の整備を進めていきましょう。


参考リンク
東京商工会議所「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査(2024/9/5)」
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1204012

(大津章敬)