退職代行サービスを利用した退職者が16.6%

 近年、退職代行サービスというキーワードを耳にすることが多くなりましたが、実際に退職代行サービスはどの程度利用されているのでしょうか。本日はマイナビが公表した「退職代行サービスに関する調査レポート(企業・個人)」の結果を見ていくことにしましょう。なお、本調査の対象は以下となっています。
個人調査:正社員として働いている20代~50代の男女のうち、直近1年間(2023年6月以降)に転職した方
企業調査:2024年1~7月に中途採用業務を担当し、募集活動をしており、採用費用の管理・運用に携わっている人事担当者

【個人調査】

  • 直近1年間(2023年6月以降)において転職した人のうち、退職代行サービスを「利用した」という回答が16.6%。
  • これを年代別で見ると以下のようになっています。
     20代 18.6%
     30代 17.6%
     40代 17.3%
     50代 4.4%
  • 職種別では以下が上位3職種となっています。
     営業 25.9%
     クリエイター・エンジニア 18.8%
     企画・経営・管理・事務 17.0%
  • 退職代行サービスを利用した理由の上位は以下のとおり。
     退職を引き留められた(引き留められそうだ)から 40.7%
     自分から退職を言い出せる環境でないから 32.4%
     退職を伝えた後トラブルになりそうだから 23.7%

【企業調査】

  • 退職代行サービスを利用して退職した人がいた企業の割合は以下のように年々増加しています。
     2019年以前 15.7%
     2020年 16.1%
     2021年 16.3%
     2022年 19.5%
     2023年 19.9%
     2024年上半期 23.2%

 退職代行サービスに関する調査は非常に珍しいのですが、退職者の16.6%が利用したという結果は驚きです。退職代行会社からの連絡を受けると、本当に残念な気持ちになる経営者・人事担当者が多いですが、退職を言い出すことが難しい職場の風土やコミュニケーション上の課題などが潜んでいるのかも知れません。改めて業務状況や労使関係などの課題について省みる機会にしたいものです。


参考リンク
マイナビ「退職代行サービスに関する調査レポート(2024年)」
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20241003_86953/

(大津章敬)