フリーランスにおける労働者性の判断と強化される相談対応

 いよいよ11月1日「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(いわゆる「フリーランス法」)が施行されます。働き方が多様化し、フリーランスも増えているのではないかと思われますが、働き方によっては労働者と変わらないケースもあります。

 今回、フリーランス法が施行にされることに合わせて、全国の労働基準監督署に、自らの働き方が労働者に該当する可能性があると考えるフリーランス(業務委託を受ける事業者)からの労働基準法等の違反に関する相談窓口(受付時間:8時30分~17時15分(平日のみ))を設置すると厚生労働省が公表しました。
 労働基準法上の「労働者」に該当するか否かは、契約の形式や名称にかかわらず、実態を勘案して総合的に判断されます。実態としては労働基準法上の労働者に該当するような働き方をしているにもかかわらず、名目上は自営業者として扱われ、労働基準法等に基づく保護が受けられていないといった問題への対応となります。

 取り組み概要は以下の通りです。
①相談窓口の設置
 労働者性に疑義がある人からの労働基準法等違反に関する相談窓口を設置する。請負契約や委任契約といった契約形式にとらわれることなく、働く方々からの相談に丁寧に対応。また、労働者に該当するかどうかの判断基準の説明や、「働き方の自己診断チェックリスト」を用いたチェックなども行う。
②労働者に該当するかの判断
 労働基準監督署において労働者に当たるかどうかの判断を行う。労働者性の判断基準について理解を促すため、新たに、厚生労働省において労働者性判断に係る近時の代表的な裁判例を取りまとめた参考資料集を作成。
 労働基準監督署では、これらの資料も活用しつつ、相談内容から労働基準法等違反が疑われ、申告として調査した場合には、原則、相談者の方が労働者に当たるかどうかの判断を行う。

 厚生労働省が作成したチェックリスト等は関連記事よりダウンロードできます。


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2024年10月25日「フリーランスとして働く皆さまへ あなたの働き方をチェックしてみましょう~その働き方、「労働者」ではないですか?~」
https://roumu.com/archives/124790.html
参考リンク
厚生労働省「「労働者性に疑義がある方の労働基準法等違反相談窓口」を労働基準監督署に設置します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44487.html
(宮武貴美)