昨年春の賃上げの結果、上昇基調に入った我が国の賃金

 賃金構造基本統計調査は、厚生労働省が行うわが国でも最大規模の賃金調査となりますが、先日、令和6年の速報結果が公表されました。
 
 今回、目を引くのは画像にある「一般労働者の学歴、勤続年数階級別賃金」です。大卒・高卒のそれぞれについて勤続年数階級別にグラフ化すると、前年のグラフと完全に二重線になっています。中でも大卒は勤続0年で6.0%の大幅増となっており、勤続25~29年でも5.3%増という結果。昨年の春は各社で大幅の賃上げが行われましたが、これにより我が国の賃金は確実に上昇を始めたということができるのでしょう。
 
 今春も昨年同等の賃上げになるとの予測が多くなっています。いまから世間の動向を気に掛けながら、原資確保の方法についても議論を進めることが求められます。


参考リンク
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 速報」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2024/sokuhou.html

(大津章敬)