経団連会員企業の43.2%がカスハラ対策を実施または検討中

 4月から東京都では東京都カスタマー・ハラスメント防止条例が施行され、また先日召集された通常国会では、カスハラ対策を含む改正女性活躍推進法案の審議が行われる予定となっています。このような環境の中、企業としては徐々に対策が進められていますが、本日は経団連が公表した「ハラスメント防止対策に関するアンケート調査結果」の内容を見てみようと思います。この調査の対象は経団連会員企業1,621社で、今回の回答は222社(回答率13.7%)となっています。
(1)顧客・取引先等からのハラスメント(カスタマーハラスメント)への防止対策の状況
24.3% 対策を取りまとめて実施している
18.9% 現在、対策を取りまとめるべく検討している
27.5% 対策が必要と認識しているが、特に対応していない
22.1% 対策が必要とは認識しておらず、特に対応していない
7.2% その他

(2)カスタマーハラスメント防止対策の取組み(上位10項目)
73.3% 従業員を対象とした相談窓口の設置(ハラスメント対応部署等の社内窓口)
61.7% カスハラへの基本的な対応方針の対外公表
60.0% 顧問弁護士や警察等との連携
58.3% カスハラ発生時の社内体制の構築(対応する部署や責任者の明確化等)
55.0% 社内向けのカスハラ事例の収集・共有
55.0% 従業員を対象とした相談窓口の設置(提携弁護士事務所等の外部委託窓口)
53.3% 従業員を対象とした研修の実施(カスハラ対応力向上等)
51.7% カスハラへの基本的な対応方針の策定
46.7% 通話録音装置やウェアラブルカメラ等の機器の設置
43.3% 管理職や現場責任者を対象とした研修の実施(カスハラ対応力向上等)

 このように43.2%の会員企業でカスハラ対策を実施済か、もしくは検討中となっています。各社の取り組み内容も参考になりますので、こうした調査結果も確認しながら、自社の対策を進められてはいかがでしょうか?


参考リンク
一般社団法人 日本経済団体連合会「ハラスメント防止対策に関するアンケート調査結果(2025/1/21)」
https://www.keidanren.or.jp/policy/2025/005.pdf
東京都「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」
https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00005328.html
東京都「「カスタマー・ハラスメントの防止に関する指針(ガイドライン)」を策定しました」
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2024/12/25/10.html

(大津章敬)