厚労省 第1回「経済社会情勢の変化に対応したキャリアコンサルティングの実現に関する研究会」資料を公表

 本日(2025年2月26日)開催される、厚生労働省の「経済社会情勢の変化に対応したキャリアコンサルティングの実現に関する研究会」の資料が公表されました。

 同会議では、キャリアコンサルタントが近年の新たな状況変化に対応して求められる役割を果たしていくためにどのような方策が必要か、今後同研究会にて議論が進められる予定であるということです。

 今回公表された資料の中ではキャリアコンサルティングを取り巻く状況として、

  1. DXの進展等産業構造の変化が一層加速し、個人自らキャリアを築き上げる必要性がさらに増すのに加え、企業においても、人的資本投資も含めた生産性の向上に向けた戦略的な取組が必要となっている
  2. 政府も、労働者の構造的な賃上げを達成するため、リスキリングによる能力向上支援、個々の企業の実態に応じた職務給の導入、成長分野への労働移動の円滑化を軸とする三位一体の労働市場改革を打ち出している
  3. 職業能力開発促進法に基づき労働者の相談に応じて助言及び指導を行うキャリアコンサルティングもまた、このような変化に対応したものとなることが求められている

    といったポイントが指摘されており、こうした課題を受けて、以下の論点について議論が行われるということです。

1.経済社会情勢の変化に対応したキャリアコンサルティングに必要な能力
2.経済社会情勢の変化に対応したキャリアコンサルティングに必要な能力を得るために有効な制度その他の施策の在り方
3.経済社会情勢の変化に対応したキャリアコンサルティングの活用活性化のために有効な施策 

 キャリアコンサルタントの能力要件等は、国家資格化前から経済社会情勢の変化に応じてこれまでも随時見直されてきていますが、キャリアコンサルタントが今後身に着けるべき能力、またキャリアコンサルタントが活躍するような環境を整備するために有効な施策について、同会議で検討されることになっており、議論が今後どのような方向に進んでいくのか、注目されます。

 この議論は、6月頃に中間とりまとめ案が作成され、同案を踏まえた対応の在り方の議論を経て、今年12月頃に具体的な対応等についての報告書がとりまとめられ、年度内に労働政策審議会人材開発分科会へ報告される予定だということです。


参考リンク
厚生労働省「経済社会情勢の変化に対応したキャリアコンサルティングの実現に関する研究会」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_51546.html

(菊地利永子)


preload imagepreload image