26卒インターンシップ参加率・平均参加社数は過去最高水準に

 3月1日の採用広報活動解禁が目前に迫っています。昨年、経済産業省・文部科学省・厚生労働省の3省合意による「インターンシップ」の定義改正が行われ、1年が経ちましたが、学生の就職活動や企業の採用活動に変化は現れているのでしょうか。

 今回はマイナビが26卒予定の全国の大学生・大学院生を対象に実施し、公表した「マイナビ 2026年卒 大学生広報活動開始前の活動調査」の結果を見ていきたいと思います。なお、この調査はWeb上でのアンケート方式にて(調査期間:2025年2月1日~2月9日)、有効回答数は2007名(文系男子337名、文系女子491名、理系男子757名、理系女子422名)となっています。

 調査結果のポイントは、以下のようになります。


 1.2026年卒のインターンシップ参加状況(カッコ内数字は対前年比%)
 ・インターンシップ・仕事体験の参加率   …85.3%(-0.4%)
 ・平均参加社数              …5.2社(+0.5%)
 ※調査開始以降、参加率は過去2番目、平均参加社数は1番目タイと、いずれも過去最高水準となった。

 2.参加したインターンシップ・仕事体験の参加形式(カッコ内数字は対前年比%)
 ・対面形式のみに参加             …14.2%(+6%)
 ・対面形式に参加した経験の方が多い      …20.8%(+3.5%)
 ・WEB/対面形式のどちらも同じ数だけ参加した  …20.3%(+3.6%)
 ・WEB形式に参加したほうが多い          …35.1%(-6.7%)
 ・WEB形式のみに参加した             …  9.6%(-6.4%)
 ※対面のみ・対面が多かったと回答した学生が9.5%増加し、WEBのみ・WEBの方が多かったと回答した学生は13.1%減となった。
 ※プログラムの内容としては、「会社見学・工場見学・職場見学」(前年比7.2%増)や「実際の現場での仕事体験」(前年比5.7%増)など、より企業の様子がわかるプログラムへの参加率が増えている。

 3.インターンシップに参加した企業の採用選考を受ける予定(カッコ内数字は対前年比%)
・参加したすべての企業の選考を受ける予定               …21.4%(+3.8%)
・選考を受ける予定の企業もあれば受けない予定の企業もある    …59.4%(-2.3%)
・選考を受ける企業は決めているが受けない企業は決めていない …5.3%(-1.3%)
・選考を受ける企業は決めていないが受けない企業は決めている …3.9%(-0.4%)
・参加したすべての企業の選考を受けない予定         …2.7%(-0.5%)
・選考を受けるかどうかについて全く決めていない       …7.4%(+0.7%)
 ※インターンシップに参加した企業について、その後の「採用選考に参加しない」と回答した学生は前年比で4.5%減となったが、依然として7割を超える。
 ※インターンシップ先企業で働きたいと思わなかった理由については、「その企業に入社して働くイメージができなかったから(23.7%)」という回答が最多となった。


 今回の調査から、学生の就職活動の一環として、インターンシップ参加が定着している様子が伺えます。一方で、企業側にとっては、インターンシップを実施していたとしても、採用選考の母集団形成が容易ではないことも明らかになりました。今や学生にとって参加が「当たり前」になりつつある中で、採用担当者はインターンシップの企画・運営をより工夫していく必要がありそうです。


参考リンク
マイナビ「2026年卒 大学生広報活動開始前の活動調査(2025/2/20)」
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20250220_92766/

(菊地利永子)


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