55.6%の企業で2025年新卒者の初任給を引き上げ
採用環境の悪化から、多くの企業が新卒採用の初任給の引き上げを行っています。その最新の調査が東京商工会議所から公開されましたので紹介します。
(1)2025年新卒者の初任給引き上げの実施状況
55.6% 初任給を引き上げた(引き上げる予定)
20.7% 初任給は据え置いた(据え置く予定)
0.0% 初任給を引き下げたI(引き下げる予定)
21.0% 未定、分からない
1.9% その他
(2)新卒者以外の正社員の基本給引き上げの実施状況
84.7% 初任給を引き上げ(引き上げる予定)、それに連動して新卒者以外の正社員の基本給も引き上げた
15.3% 初任給を引き上げたが(引き上げる予定だが)、それに連動して新卒者以外の正社員の基本給は引き上げていない
※(1)で「初任給を引き上げた(引き上げる予定)」と回答した企業が対象
(3)2025年新卒者の初任給引き上げ率
9.9% 1.0%未満
23.9% 1.0%以上2.0%未満
15.5% 2.0%以上3.0%未満
16.2% 3.0%以上4.0%未満
14.8% 4.0%以上5.0%未満
19.7% 5.0%以上
このように55.6%の企業で新卒初任給の引き上げが予定されており、そのうち、50.7%の企業で3.0%以上の引き上げを行うとしています。採用競争力の向上のためという目的に加え、最低賃金の大幅引き上げへの対応でも初任給の見直しが求められるケースが増加しています。初任給の引き上げにより先輩社員との逆転や格差の縮小で様々な問題が起きているという話がよく聞かれます。今後は単なる初任給引き上げに止まらず、賃金カーブの見直し、賃金制度の再構築も重要なテーマとなってくることでしょう。
参考リンク
東京商工会議所「2025年新卒者の採用・選考活動動向に関する調査について(2025/3/17)」
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1205505
(大津章敬)