【改正育介法】43.4%の企業が始業時刻等変更+短時間勤務制度を選択

 今年は4月と10月に育児介護休業法の改正が行われますが、先日、労務行政研究所では、その対応状況に関する調査を実施し、その結果を公表しました。本日はそのポイントを見ていくことにしましょう。
 
 今回の法改正でもっとも対応に苦慮するのが、10月施行の「柔軟な働き方を実現するための措置」です。これは、3歳から小学校就学前の子を養育する従業員に対して、以下の5つの選択肢の中から2つ以上の措置を選択して講じることが求められています。
(1)始業時刻等の変更
(2)テレワーク等
(3)保育施設の設置運営等
(4)養育両立支援休暇の付与
(5)短時間勤務制度

 この改正は10月1日ですが、4月時点で既に実施している」が55.2%、「実施する措置が決定しており、今後実施予定」が16.6%と多くの企業で対応が進められています。その上で、実際の措置の組み合わせについては以下が上位となっています。
43.4% (1)始業時刻等の変更+(5)短時間勤務制度
24.7% (1)始業時刻等の変更+(2)テレワーク等+(5)短時間勤務制度
7.7% (1)始業時刻等の変更+(2)テレワーク等
6.4% (4)養育両立支援休暇の付与+(5)短時間勤務制度
3.4% (2)テレワーク等+(5)短時間勤務制度
 
 このように(1)始業時刻等の変更+(5)短時間勤務制度の組み合わせが群を抜いて多いという結果となっています。なお、このテーマについては弊社においても4月に社会保険労務士のみなさんを対象に実施(回答数144件)し、同様の結果が出ています。
 
 この「柔軟な働き方を実現するための措置」は5つの選択肢があっても、職種特性などにより実際には選択できない項目があり、現実的には3つくらいの中から2つを選択し、措置を行うというような状況がよく見られます。まだ対応が済んでいない企業においては早めに議論を行い、10月の施行に備えましょう。


参考リンク
労務行政研究所「改正育児・介護休業法への対応アンケート」
https://www.rosei.or.jp/attach/labo/research/pdf/000089328.pdf

(大津章敬)