労使ともに関心が高まる週休3日制の導入

 柔軟な働き方の選択肢の一つとして週休3日制がありますが、その導入企業が増加しています。本日はIndeedが実施した「週休3日の求人動向・ニーズ変化を調査」の内容を見ていきましょう。この調査は、同社が、Indeedに掲載された求人内容や求職者の仕事検索内容などのデータを基に「週休3日制」への関心の変化を時系列で分析したもの。

 そのポイントは以下のようになっています。

  1. (「週休3日」や「週4日勤務」に言及する求人割合は、2020年5月から2025年5月の5年間で5.3倍に増加。
  2. 医療、歯科、ドライバーなど、リモートワークの実施が難しい職種ほど「週休3日」に言及する求人割合が高い傾向にあり、働き方の選択肢を広げる動きが見られる。
  3. 「週休3日」「週4日勤務」関連のキーワードで仕事を探す割合は、2020年5月から2025年5月の5年間で3.6倍に増加。
  4. 都道府県別では、千葉、埼玉、東京、神奈川など首都圏を中心に検索割合が高く、最も割合が高い千葉は全国に先駆けて全県職員を対象に週休3日制を導入した地域。

 このように週休3日制の導入企業も、それを希望する求職者も増加しているという結果になっていますが、注目すべきは職種による導入事例の差です。正社員求人の44職種における「週休3日」言及求人と「リモートワーク」言及求人の割合言及割合の平均は、「週休3日」は1.6%、「リモートワーク」が9.6%であるのに対し、以下の職種で「週休3日」の言及割合が高くなっています。

  • 医療(リモートワーク:1.5%、週休3日:5.9%)
  • 歯科(リモートワーク:2.1%、週休3日:4.8%)
  • ドライバー(リモートワーク:1.5%、週休3日:4.3%)

 こうした職種は、所定労働時間が長く、かつリモートワークが馴染まないという特性があります。例えば歯科クリニックの場合、午前9時から休憩を挟んで、午後7時頃まで診療がある場合、準備などの時間を入れると所定労働時間は10時間となります。この場合、早番・遅番を設けるということもありますが、別の選択肢としては変形労働時間制度を採用した上で、1日の所定労働時間を10時間とし、週休3日にするということも考えられます。

 これは柔軟な働き方というよりも、業務特性に合わせた労働時間設計となりますが、週休3日制に対する求職者の関心も高まっていることから、今後も人手不足等を背景に、週休3日制は我が国の働き方の一つとして位置付けられていくことでしょう。


参考リンク
Indeed「週休3日の求人動向・ニーズ変化を調査(2025/9/12)」
https://jp.indeed.com/news/releases/20250912

(大津章敬)