技能実習生に関連した労働基準関係法令の違反率は73.2%
外国人労働者は年々増加していますが、先日、厚生労働省は外国人技能実習生又は特定技能外国人を使用する事業場に対して行った令和6年の監督指導、送検等の状況を公表しました。
その結果は、以下のようになっています。
【技能実習生関係】
- 労働基準関係法令違反が認められた実習実施者は、監督指導を実施した11,355事業場のうち8,310事業場(73.2%)。
- 主な違反事項は、(1)使用する機械等の安全基準(25.0%)、(2)割増賃金の支払(15.6%)、(3)健康診断結果についての医師等からの意見聴取(14.9%)の順に多かった。
- 重大・悪質な労働基準関係法令違反により送検したのは16件。
【特定技能外国人関係】
- 労働基準関係法令違反が認められた事業場は、監督指導を実施した5,750事業場のうち4,395事業場(76.4%)。
- 主な違反事項は、(1)使用する機械等の安全基準(24.0%)、(2)割増賃金の支払(17.2%)、(3)健康診断結果についての医師等からの意見聴取(16.7%)の順に多かった。
- 重大・悪質な労働基準関係法令違反により送検したのは7件。
グラフを見ると分かりますが、技能実習生に関する違反率は毎年70%を超える水準が続いています。中でも生命身体に関わる安全に関する違反が多くなっており、その改善が強く求められます。なお、この資料では、監督指導事例とした以下の事例が取り上げられています。参考にして、同様の違反がないように改善を進めていきましょう。
【事例1】外国人技能実習機構からの通報を契機に、最低賃金未満の労働契約等について指導
【事例2】機械による労働災害が発生したことを契機に、安全対策について指導
【事例3】技能実習生から「休憩が所定どおり取得できず、適正に賃金が支払われていない」旨の申告があったもの
参考リンク
厚生労働省「外国人技能実習生又は特定技能外国人を使用する事業場に対して行った 令和6年の監督指導、送検等の状況を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63807.html
(大津章敬)

