労務行政研究所による2026年賃上げ予測は定昇込みで15,809円・4.69%

2月に入り、今年の賃上げの議論を行っている企業が多いのではないかと思います。そこで今回は労務行政研究所の「労使および専門家の計515人に聞く 2026年賃上げの見通し」の内容を取り上げたいと思います。この調査は、以下の対象者で実施されたもので、回答者数は労働側282人、経営側119人、専門家114人の合計515人となっています。

  1. 労働側 東証プライムおよびスタンダード上場企業の労組委員長等1,525人(労組がない企業は除く)
  2. 経営側 全国証券市場の上場企業と、上場企業に匹敵する非上場企業の人事・労務担当部長等4,545人
  3. 労働経済分野等の専門家 主要報道機関の論説委員・解説委員、大学教授、労働経済関係の専門家、コンサルタントなど1,385人

これによれば、2026年の定期昇給を含めた賃上げ見通しの平均が15,809円・4.69%となりました。これは2025年の18,629円・5.52%には及ばないものの、依然として高水準を維持しています。なお、労使別で見ると、労働側は平均で16,105円・4.78%、経営側は15,223円・4.51%で、労働側の期待がやや高い状況となっています。

今回の調査で注目すべきは、経営側のベア実施予定率が過去10年で最高水準に達している点でしょう。2022年には17.0%であったものが、2023年には41.6%に跳ね上がり、2026年には66.4%へと大幅に増加しています。これは近年の人材確保競争の激化や物価上昇の影響を企業が強く認識し、賃上げを通じて従業員のモチベーション維持や定着を図ろうとしている動きだと言えます。また、2025年のベア実績を見ると、86.6%の企業が実際にベアを実施しており、「実施しなかった」の11.8%を大きく上回っています。

今回の調査では、2026年の賃上げ見通しは「定昇込みで4.69%」という高水準で推移し、労使双方とも賃上げに前向きであることが分かりました。企業はこれらの動向を踏まえ、持続可能な賃金体系の構築と労働環境の改善に取り組むことが重要です。


参考リンク
労務行政研究所「労使および専門家の計515人に聞く 2026年賃上げの見通し」
https://www.rosei.or.jp/attach/labo/research/pdf/000090356.pdf

(大津章敬)