厚生労働省「働き方改革関連法施行後5年の総点検」調査結果を公表
2019年に施行された働き方改革関連法には施行5年後の見直し規定が設けられており、それに基づき、現在、労働基準法等の改正の議論が進められていますが、厚生労働省ではその議論の基礎資料とすべく、「働き方改革関連法施行後5年の総点検」の調査を行い、その結果を公表しました。
新聞などでは高市首相の発言を受けて、労働時間を増やしたいと考えている労働者の割合などがよく取り上げられていますが、ここでは企業ヒアリングの中から「労働基準関係法に対する課題・要望」の個別制度に関する意見について引用したいと思います。
以下のような意見が掲載されていますが、特に裁量労働制や副業兼業については今後の法改正が議論されている内容であり、これからの議論の行方に注目が集まります
- 事業場単位での届出の見直しを行ってほしい。
(裁量労働制について)
- 管理職手前で、管理監督者に合致しない者について、一定の裁量がある労働者に対する裁量労働制の適用を広げてもいいのではないかと思っている。
- 対象労働者の範囲や適用業務など、判断に迷うことが多く、わかりづらいため、明確にしてほしい。
- 本人同意について、都度の同意ではなく、一度同意を得れば、本人が撤回しない限り有効とすることや自動更新のような形にできないか。
- 裁量労働制を企画型と専門型に分けて管理する必要性を感じない。また、現行の裁量労働制は、対象業務や対象者が限定的で、国際競争力の観点から言えば、マイナスだと感じる。
(変形労働時間制について)
- 近年の酷暑の影響から、変形労働時間制度の柔軟化(1日の所定労働時間の延長など)を希望する。
- 1年単位の変形労働時間制の特定期間の特定が一月前だと厳しすぎて実情に合わない。
(副業兼業について)
- 労働時間の通算ルールが分かりづらく、負担。緩める方向で検討いただきたい。
- 副業の働き方によっては本業で8時間労働であっても割増賃金を支払わなければならず、本業の会社としては負担が大きいため、副業解禁に二の足を踏んでしまう。
- 国は、兼業・副業を推奨しているが、収入が減り、副業等をする人が多くなってきている印象がある。時間外労働の上限規制は、「本業+副業」のトータルで時間管理をする必要があるが、副業をすることで上限時間を超過して労災事故が起きた場合の責任等について不安である。
参考リンク
厚生労働省「「働き方改革関連法施行後5年の総点検」の調査結果を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000073981_00060.html
(大津章敬)

