量から質に転換する中途採用市場の状況

人手不足の状況が継続していますが、先日公表されたマイナビの「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」を見ると、2025年において中途採用市場の状況が変化していることを実感する内容になっています。以下ではそのポイントを取り上げましょう。
(1)中途採用目標人数の達成割合の上昇
「採用目標以上に採用できた」という回答が以下のように急上昇し、92.9%となってます。現場を見ている実感としてはそこまでではないような印象も受けていますが、調査結果においては、ほとんどの企業で中途採用目標人数を達成している状況にあります。
2025年 92.9%(前年比+27.7pt)
2024年 65.2%(前年比+4.3pt)
2023年 60.9%

(2)中途採用目標人数と実採用人数が共に大きく減少
採用目標人数、採用人数の平均はいずれも前年比で半減しています。
〇採用目標
2025年 16.7人(▲14.1人)
2024年 30.8人(増減なし)
2023年 30.8人
〇採用人数
2025年 12.3人(▲16.4人)
2024年 28.7人(+6.9人)
2023年 21.8人

(3)正社員人材の過不足感は大きな変化なしも、不安感の内容は量から室に転換
正社員人材の不足感は40%強で大きな変化はありませんが、その内容を見ると、量の不安が減少する一方で、質の不安が高まっています。
〇正社員人材の過不足感
2025年 余剰 25.4% 適正 34.5% 不足 40.1%
2024年 余剰 24.3% 適正 33.5% 不足 42.1%
〇正社員不足感の内容
2025年 量 44.4% 質 30.4% 両方 25.2%
2025年 量 51.1% 質 26.7% 両方 22.2%

(4)2026年の中途採用は91.1%が積極的
不足感が継続する中で、2026年の中途採用には積極的な姿勢であることが分かる結果となっています。
32.1% 経験者採用・未経験者採用ともに積極的
42.1% 経験者採用は積極的だが、未経験者採用は消極的
16.9% 経験者採用は消極的だが、未経験者採用は積極的
4.3% 経験者採用・未経験者採用ともに消極的
4.6% 今後1年間に採用はしない。

92.9%の企業で採用目標人数の採用ができているとの回答の一方で、なお91.1%の企業で中途採用を積極的に行うという結果になっており、若干矛盾したようにも見えますが、そこには以下のような背景があるのではないかと考えられます。

  1. 採用難の中で採用目標人数を絞る士業が増加している。
  2. 人材不足感の内容が量から質に転換しており、採用のターゲットが灰パフォーマーや即戦力人材にシフトしている。
  3. 企業が人手に頼った経営から、様々な設備投資やDXを通じてより少人数で仕事を回す方向に転換し始めている。

今回の調査は中途採用における様々な変化が感じられる結果となっていますが、転職市場の活性化よりに既存人材の転職リスクも高まっています。引き続き、効果的な採用と人材の定着の両輪を回していくことが重要です。


参考リンク
マイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260327_109053/

(大津章敬)