企業における人事労務関連制度の実施状況とそのトレンド
社員のエンゲージメント向上や採用力の強化などを目的として、企業においては様々な人事労務関連制度が導入されていますが、注目の制度の導入状況はどうなっているのでしょうか。本日は労務行政研究所が実施した「企業における人事労務関連制度の実施状況」の結果を見ていきたいと思います。なお、この調査は、全国証券市場の上場企業(新興市場の上場企業も含む)3,764社と、非上場企業1,703社の合計5,467社を対象に実施されたもので、今回の結果は回答のあった298社のものとなっています。
これによれば、各分野の注目の制度・施策の実施率は以下のようになっています。
1. 等級制度
職能資格制度: 53.7%
役割等級制度: 46.6%
職務等級制度: 35.9%
2. 採用
職種別採用: 83.2%
リファラル採用: 57.4%
人材スカウト会社の利用: 49.0%
3. 労働時間・休暇
裁判員休暇: 74.8%
フレックスタイム制: 49.0%
4. 柔軟な働き方
テレワーク・在宅勤務: 73.2%
サテライトオフィス: 15.8%
5. 中高年・シニア
定年後の再雇用制度: 90.3%
70歳までの就業機会確保措置: 32.2%
61歳以上の定年制: 22.5%
6. 仕事と家庭の両立支援
男性社員の育児休業取得促進: 49.3%
治療と仕事の両立支援: 18.5%
LGBTQへの配慮施策: 7.4%
7. 福利厚生
独身寮: 31.5%
福利厚生代行サービス: 28.9%
GLTDへの加入: 17.1%
8. メンタルヘルス
メンタルヘルスに関する相談窓口: 76.8%
私傷病休職からの復職支援プログラム: 42.3%
9. リスクマネジメント
内部通報制度: 93.3%
ハラスメント対策研修: 81.2%
情報管理規程の作成: 75.8%
10. その他
仕事上での旧姓使用: 84.6%
副業・兼業の容認: 52.3%
エンゲージメントサーベイ: 48.3%
人事労務関連業務でのAI活用: 20.8%
過去からの流れで見ると、多くの項目で従来よりも実施率が上昇しています。従業員の安定的な確保が、企業経営における最重要テーマとなる中、こうした働きやすさや働きがいを高めるような施策の導入が進められています。
参考リンク
労務行政研究所「企業における人事労務関連制度の実施状況(2026/6/3)」
https://www.rosei.or.jp/attach/labo/research/pdf/000090978.pdf
(大津章敬)

